虫歯の治療
- 今もむし歯の治療はやっぱりガーッとやってガガガガッてやってチュイーンとかアガガガッ!・・・みたいな、
そんな感じなんですよね?(ドキドキ) - 一体どんな感じなのか、わかりませんが、大体イメージされている事は(笑)わかります。
今は、むし歯の治療もそんなに簡単に削らないんですよ。 - でも黒いところはむし歯なんですよね?
- 確かに『昔はむし歯は治らないので早く見つけて削って詰めてしまいましょう』という流れでしたが、今はまず、その黒い所が『本当に削らなければいけないむし歯』なのかこの『Kavo DIAGNOdent 虫歯診断装置』という機械を使ってきちんとした検査をします。
- これはどんな機械なんですか?
- むし歯の進行具合を数値化する機械です。西洋医学は病気を共通の検査という一つのフィルターを通して数値化することで診断の基準がぶれない、長期に渡る経過がキチンと管理出来るという事で発展してきた訳です。この写真の方も左側の写真の黒い所が虫歯だと思って来院された訳ですが検査をしてみるとどうやら虫歯ではないらしいと。それで、まず最初にクリーニングをしてみたところ…この写真のように、この黒い所は削らなくても消えてしまう訳です。
- あっ!本当だ!黒い所が消えている~!
- 何か病気を疑ったらきちんとした検査をして病気を数値化して診断する事で、どの先生が診てもその検査値から例えば『あぁ、この虫歯は初期虫歯だな。』となるわけです。病名の診断にブレることはないので、ある先生が『肝臓病』と診断したのに別の病院で『胃潰瘍』となることはまずありえない訳です。
ところが歯科に関して言えば『むし歯』を数値化する検査が普及していないのでこの前、治療が終わったとおもったのにまた学校検診で紙をもらってきたりするものだから『いったいどうなっているの?』と混乱してしまうのでしょう。そして先生がパッとみて『あ~。これはちょっと削って詰めておきましょう』とか言ってすぐガーッとやってガガッ… - あの、先生も僕と同じ事言ってますけど(笑)
- 失礼。だから、この機械できちんと調べてみて初期むし歯という段階にあると診断されれば、フッ素やキシリトールなど色々なアプローチで、再石灰化を促すというメカニズムに期待も出来ます。
- なるほど、そこまできちんと調べて削るのが必要なむし歯と診断されたらやっぱりガーッとやってガガガガって…
- (笑)それは、もう飛ばしましょう。えー、まずいくつか情報の訂正からいきましょうか。まずいわゆる歯科医院での音を特徴づける、よく皆さんが苦手とおっしゃるのはタービンという道具を使う時の音なんですが、今は『エアロステーション』という機械があり、これは空気でアルミの粉末を吹き付けてむし歯になっている部分のみを飛ばしていくというもので健全な歯質を削る事がありません。
- ハイ、でも口の中に銀歯が入るんですよね?
- 情報の訂正その2です。今は銀歯以外にも色々な素材が使われるようになりました。むしろ口の中に金属を入れる治療はアレルギーや清掃性、見た目などからも可能ならば遠ざける傾向にあります。
- 何度も通わないとなかなか入らないんですよね。
- 小さい範囲のむし歯であればその日に詰めて終わりになりますし、もし、型を採る場合でも『セレック』という機械は印象材という粘土のような材料で型を採る事無く、歯の状態をスキャンしてデータにしてその場でコンピューターが削り出して完成します。
- へぇ、どこを治したのかわからない位きれいなんですね~。
- 全ての方に対応出来るとは限りませんが、やはり一度受診されてしっかり調べてから、よくご相談されることをオススメします。